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今年のお盆は魚沼北部に大雨警報発令で奥只見の川は増水・濁りの日がつづいていました。これに誘われたのか大鳥ダム湖よりサマーランが始まった気配があったので、大鳥の主が雷雨のなか本流をウエットフライ(アレキサンドラ系)で攻撃した。さすが主!ダム育ちの丸まると肥えた42cm岩魚を#4ロットで釣上げ、十ニ分に楽しんだ様でした。8/16日X沢で渓流師が41cmのランした岩魚を釣上げて来ました。

超大型化する大鳥岩魚の謎 NO2 文 ドクター

 さて、大鳥ダムを始めとする阿賀野川水系のダムのイワナは湖沼型のニッコウイワナと考えられ、かつてダムのなかった只見川本流で「遡りイワナ」と呼ばれていたものの子孫と考えられている。

その昔は遠く日本海まで降海していたものもあった筈であるが、昭和初期に下流部にダムができてからは降海型のイワナやサクラマスは陸封された形になっている。ニッコウイワナの特徴として体側にオレンジ色の斑点があり、白点は小さめである。

この辺は北海道のアメマスとは明瞭に異なるが、最大の差はその体型であろう。皆さんも御存知のように奥只見のイワナは、サイズの割に体高が高く、とくに50cmクラスの雄では下顎が突出し、背張り様を呈するようになり、60cm近いものではカラフトマスの雄に似たものや、いわゆる「タキタロウ」タイプのものも過去に釣られている。体高が高いため必然的に体重も重く、ワカサギを飽食した6月の大鳥放水口の55cmオーバーは北海道の同サイズの倍近いボリュームがあるように感じられる。

一般に湖沼型のマス類は湖を海の代用として降下、成育すると、そこでは渓流にはない豊富な小魚やエビなどの蛋白質を飽食し、巨大化すると考えられている。

この降下するイワナ稚魚は銀毛化(スモルト化)といって魚体が銀化し、背鰭の先が黒くなり、かつ尾鰭の先が鋭角化するなどの特徴をもっている。

北海道のアメマスやオショロコマでも春・秋にこのような個体が釣れることがあり、このあたりの生態は石城謙吉著「イワナの謎を追う」(岩波新書)に詳しい。しかも全ての個体が降下するのではなく、残留するのは優位の個体で雄が多く、銀毛化して降下するものは劣位の個体で雌が多いというのは興味深い。もっと北のサハリンやカムチャッカでは全てのイワナが降海する例もあるらしい。つづく