2008.04.24
-日本産イワナの分類と現状-その1 (文’07.9Dr.Y)
われわれ「とんじろ」をベースに奥只見の湖や渓流を釣り歩く釣り人のおもな対象魚はニッコウイワナであるが、特にダムのものは湖沼型ニッコウイワナと呼ばれ、80cmオーバーにも達する全国的にも貴重な系統である。好期に日本各地から釣り人が集まるのも、他所では不可能な魚が、ここ奥只見では当然のように釣られているからと思う。ここのイワナの貴重性は、他のイワナと比較して理解できる部分もあるので、標題のテーマについて、私自身の体験を含めて記してみたい。
日本に生息するイワナ属は外国産のブルックトラウトとレイクトラウトを除くとオショロコマ系とアメマス系に大別される。
オショロコマは極東から北アメリカに生息するドリーバーテンとも呼ばれるイワナで、海外では1mに及ぶものもあるが、日本では知床の一部河川に降海型がみられるだけで、ほとんど20cm前後の陸封型である。知床の小沢では入れ食いに近いに近いところがあるが、25cmオーバーは極めて稀である。
私のトロフィーは某川の43cmであるが、これは地元でも話題になったサイズで、ヒグマの恐怖におびえて釣るわりにはサイズは伸びない。しかし、ブルーバックに赤点・白点を散りばめた体色の美しさは日本産イワナでも特筆に価する。
十勝地方の然別湖に生息するシヤベイワナはオショロコマの湖沼型亜種とされていて、大型化し50~60cmに達するものがあるという。大鳥イワナが大型化するのと同じメカニズムがオショロコマにも存在するのである。シヤベイワナは道南の河川や管理釣り場に放流されたものを釣ったことがあるが、体高が高くオショロコマよりむしろブルックに近い印象を受けた。私のトロフィーは30cm位である。
アメマス系イワナはアメマス、エゾイワナ、ニッコウイワナ、ヤマトイワナ、キリクチ、ゴギに分類され、これらは亜種というより変種(バリエーション)とみるのが最近の考え方である。
・・・つづく