2008.04.17
-リリース成功の条件-(文’07.9Dr.Y)
釣ったイワナを飼育してみて感じることは、大きな魚ほど釣った時のダメージが大きく、死亡することが多いという悲しい現実である。
大型魚は釣り人の心理として、やや強引な寄せをすることが多いが、これは針がかりの位置によっては致命的な刺し傷を魚に与えてしまう。また魚自身の体重も重く、ネットや岩にぶつかった場合の外傷も大きい。さらに長時間にわたるファイトした場合ほど、呼吸が抑制され、体内の乳酸蓄積が促進され、衰弱も著しくなる。とくにダムの魚は小魚を飽食した肥満体のためか沢の魚よりもこの傾向が強いようである。
このあたりを配慮して、大イワナはなるべく水から上げず、写真撮影等は最小限として速やかにリリースするのが望ましい。また以前記したように、リリースを前提とする魚のストリンガー使用や細引きの使用は避けるべきである。
また移植放流の場合は、滝上への運搬は大変なので容器を小さくしたくなるが、イワナは体を折り曲げると正常な呼吸ができず、衰弱が著しく早くなるので経験的に少なくとも体長以上の容器の長さが必要で、ブクでエアレーションするのが望ましい。
リリースの際は、頭を上流に向け、エラの動きが緩やかになり、体色が元にもどって、自主できるまでは支えるのが望ましい。ただ放すだけでは捨てていると変わりない場合もありうるので、特に高水温時や針外しに手間取った時には念入りなリリース操作が必要である。
大鳥でも時期によっては過去にリリーされたと思われるフック跡のある魚がよく釣れる。40cmオーバーのイワナがリリースサイズという、イワナ釣りの常識を越えた釣り場が
日本にまだあるというのは嬉しい事実ではないだろうか。
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